ネクタイの製作過程については、自分の中で一区切りついてしまったので、ネタがなかった次第です。
新型コロナウィルスの影響で緊急事態宣言が発令され、外出自粛が続く日々が続いておりますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか。
そうですね。家での時間が非常に増えたわけです。
というわけで、ブログデザインを一新、ブログタイトルも変えて心機一転、新しいネタの投下に至った次第です。
今後は、様々なメーカーのネクタイを分解、分析したものを記事にしていければと思っています。
記念すべき第一弾は、「Atto Vannucci」になります。
それではよろしくお願いいたします。
Atto Vannucciについて
加賀健二氏が代表を務めるSEVEN FOLD社が手がけているネクタイブランドですね。
TIE YOUR TIEの流れを汲んでおり、Sette Pieghe(セッテピエゲ)のネクタイが非常に有名です。
そのネクタイを製作する工房ですが、前身はフランコ・ミヌッチ氏が1995年に開設した工房です。
加賀氏は2011年にそれを買い取って、今のSEVEN FOLD社の工房となっているようですね。
ちなみに日本では「Atto Vannucci」のタグで販売されていますが、
日本以外では、「TIE YOUR TIE」のタグで販売されているようです。
大人の事情ってやつですね。※コレクションの内容は変えていると思いますが。
日本で「TIE YOUR TIE」のタグで販売されているネクタイは、タイユアタイアジア社のもので、
SEVEN FOLD社のものとはまた別物になります。
タイユアタイアジア社との違いは、ヘムの仕上げとふんわり具合でしょうか。
ヘムの仕上げについては後述します。ふんわり具合は、Atto Vannucciの方がふんわりしているイメージです。
特にウールのセッテピエゲでは折り目がほとんどないようなものもあります。
TIE YOUR TIEの流れを汲んでおり、Sette Pieghe(セッテピエゲ)のネクタイが非常に有名です。
そのネクタイを製作する工房ですが、前身はフランコ・ミヌッチ氏が1995年に開設した工房です。
加賀氏は2011年にそれを買い取って、今のSEVEN FOLD社の工房となっているようですね。
ちなみに日本では「Atto Vannucci」のタグで販売されていますが、
日本以外では、「TIE YOUR TIE」のタグで販売されているようです。
大人の事情ってやつですね。※コレクションの内容は変えていると思いますが。
日本で「TIE YOUR TIE」のタグで販売されているネクタイは、タイユアタイアジア社のもので、
SEVEN FOLD社のものとはまた別物になります。
タイユアタイアジア社との違いは、ヘムの仕上げとふんわり具合でしょうか。
ヘムの仕上げについては後述します。ふんわり具合は、Atto Vannucciの方がふんわりしているイメージです。
特にウールのセッテピエゲでは折り目がほとんどないようなものもあります。
仕様
生地 | シルクツイル |
---|---|
形状 | ストレート |
製法 | セッテピエゲ |
裏地の有無 | なし |
芯地の有無 | なし |
長さ | 147.0 ㎝ |
ネック部幅(最細部) | 3.2 ㎝ |
ヘムの太さ | 4.0 ㎜ |
大剣幅 | 8.2 ㎝ |
---|---|
大剣閂の位置 | 30.5 ㎝ |
大剣閂幅 | 12.0 ㎜ |
小剣幅 | 4.4 ㎝ |
小剣閂の位置 | 15.0 ㎝ |
小剣閂幅 | 9.0 ㎜ |
小剣通しの位置 | 32.0 ㎝ |
小剣通しの太さ | 7.0 ㎜ |
小剣通しのつけ方 | 裏綴じ巻き込み |
海外製のネクタイは150cmを超えるものが多いですが、これは日本人向けにカスタマイズされているか、販売店がそのように発注したかのどちらかだと思います。
バランスを見てみよう
特に気を使ってノットを作ったわけではないですが、ディンプルはちゃんとできますね。

ただ、しっかりと張りがある生地であることと芯地がないため、ノットは活動している中でだんだんと崩れてきます。
裏の綴じ向きについてですが、左前になっていますね。
TIE YOUR TIEのネクタイの綴じ向きは、一般的なものと異なり基本的に右前になっています。

Atto Vannucciも右前のものが主流なようですが、左前のものも売られています。
「発注内容が異なるのか?」と言われればそういうわけでもなく、同じ販売店でも左前・右前のものがあったりします。
型紙を置き間違えたりでもしたんでしょうか、なんとなく美学より適当さが窺える気がします。

小剣の折り込み部がちょっと出ているのはAtto Vannucci特有のディティールのようですね。
タイユアタイアジア社のものでは見たことがありません。

ただ、しっかりと張りがある生地であることと芯地がないため、ノットは活動している中でだんだんと崩れてきます。
裏の綴じ向きについてですが、左前になっていますね。
TIE YOUR TIEのネクタイの綴じ向きは、一般的なものと異なり基本的に右前になっています。

Atto Vannucciも右前のものが主流なようですが、左前のものも売られています。
「発注内容が異なるのか?」と言われればそういうわけでもなく、同じ販売店でも左前・右前のものがあったりします。
型紙を置き間違えたりでもしたんでしょうか、なんとなく美学より適当さが窺える気がします。

小剣の折り込み部がちょっと出ているのはAtto Vannucci特有のディティールのようですね。
タイユアタイアジア社のものでは見たことがありません。
縫製を見てみよう
スフォデラート(裏地なし)の一番の特徴として、「ヘム(hem・縁)の仕上げ」が挙げられます。
目に見えてしまう箇所のため、一定の幅、一定の間隔で生地の端をまつっていくのが綺麗に仕上げるための鉄則です。
Atto Vannucciの場合、ヘムはだいたい「三巻縫い」で仕上げられています。
今回のネクタイの場合、幅は4mmで一定です。綺麗ですね。

ステッチの間隔も一定で、表に見える糸目もほとんどがポツ、ポツと点状になっており綺麗だと思います。
一般的に生地というのは糸を織ってできていますが、スフォデラートのヘムを縫う場合、極力表側に糸目が出ないように生地の糸を1、2本すくって縫っていきます。すくう量が多いほど、表側から見える糸目も長くなってしまいます。
糸目が一定であれば「デザイン」としてアリと言えばアリですが、バラバラだと当然美しくありません。

※デザインとしてステッチが表から見えるようにまつっています。
Atto Vannucciは、3、4年前だと「え、こんな糸目がバラバラで酷い仕上がりのもの誰が買うの?」というものがあったりと品質にバラツキがありました。
ここ最近はお店に並んでいるものを見てもどれも綺麗で、品質が上がっていることがわかります。
次は閂止めを見てみましょう。

雑ですね。
一応、止まってはいるので役目を果たしていますが、閂の芯となる部分が見えてしまっているので、見た目が悪いですね。
これはFAIRFAXのネクタイですが、ちゃんと閂の端から端まで糸でかがられています。

裏の縫い合わせ部分です。

インターバルは結構大きめですね。
ネクタイの特性上、縦方向に引っ張られるので裏の縫い合わせはざっくり縫って遊びを持たせるのが一般的です。
スリップステッチ(たるみ糸)は小剣側にあります。

スリップステッチの出ている箇所が見えてしまうのはあまり美しくないですね。
こちらはタイユアタイアジア社製のセッテピエゲですが、スリップステッチの出始めの部分はちゃんと隠れています。
個人的にこちらのほうが好感を持ちます。

最後にタグの付け方ですが、これもちょっと雑ですね。

生地1枚目だけに留めればいいものの2枚目も一緒に留められています。
目に見えてしまう箇所のため、一定の幅、一定の間隔で生地の端をまつっていくのが綺麗に仕上げるための鉄則です。
Atto Vannucciの場合、ヘムはだいたい「三巻縫い」で仕上げられています。
今回のネクタイの場合、幅は4mmで一定です。綺麗ですね。

ステッチの間隔も一定で、表に見える糸目もほとんどがポツ、ポツと点状になっており綺麗だと思います。
一般的に生地というのは糸を織ってできていますが、スフォデラートのヘムを縫う場合、極力表側に糸目が出ないように生地の糸を1、2本すくって縫っていきます。すくう量が多いほど、表側から見える糸目も長くなってしまいます。
糸目が一定であれば「デザイン」としてアリと言えばアリですが、バラバラだと当然美しくありません。

※デザインとしてステッチが表から見えるようにまつっています。
Atto Vannucciは、3、4年前だと「え、こんな糸目がバラバラで酷い仕上がりのもの誰が買うの?」というものがあったりと品質にバラツキがありました。
ここ最近はお店に並んでいるものを見てもどれも綺麗で、品質が上がっていることがわかります。
次は閂止めを見てみましょう。


雑ですね。
一応、止まってはいるので役目を果たしていますが、閂の芯となる部分が見えてしまっているので、見た目が悪いですね。
これはFAIRFAXのネクタイですが、ちゃんと閂の端から端まで糸でかがられています。

裏の縫い合わせ部分です。

インターバルは結構大きめですね。
ネクタイの特性上、縦方向に引っ張られるので裏の縫い合わせはざっくり縫って遊びを持たせるのが一般的です。
スリップステッチ(たるみ糸)は小剣側にあります。

スリップステッチの出ている箇所が見えてしまうのはあまり美しくないですね。
こちらはタイユアタイアジア社製のセッテピエゲですが、スリップステッチの出始めの部分はちゃんと隠れています。
個人的にこちらのほうが好感を持ちます。

最後にタグの付け方ですが、これもちょっと雑ですね。

生地1枚目だけに留めればいいものの2枚目も一緒に留められています。
というわけで、Atto Vannucciのネクタイを分析してみました。
次は、縫製をほどいて中がどのようになっているかを見ていきたいと思います。
こんにちは。
返信削除以前から拝見していて更新を楽しみにしておりました。
私も最近タイ工房さんでネクタイのキットを買って作ってみましたがなかなか楽しい趣味ですね。
こんにちは、お返事遅くなってすみません。
削除閲覧していただきありがとうございます。
更新は気まぐれですので、気づいたときにでもまた覗いていただければと思います。
ネクタイはシャツの袖付けのような難しい工程もないですし、
なにより1日あればちゃんと最終形になるところがいいですよね。
このコメントは投稿者によって削除されました。
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